山本 真一郎

2018年5月22日
「誰にでも弱さがある。でもその弱さを受け入れ、誇れるようになった時、新しい人生がそこから始まる。」

2004年から2008年の4年間、私は重度の皮膚病を患い、毎日激痛と痒みで眠れない日々が続いた。写真は2008年春、大切な親友の結婚式で祝福の演奏をしている私。この頃は最もピーク時で、自分で服も着れない、ティッシュペーパー一枚ですら手を伸ばして取れないところまで悪化していた。毎日外に出ることが億劫になり、いつも心身共に病んでいたことを思い出す。

しかし、行きつくところまで行った時、私はふと立ち止まった。そして気づかされたのだ、「神様は私から命までは奪わなかったと」。ちゃんと私に日を昇らせ、日を沈めてくださったのだ。家族はじめ、多くの皆さんが私の気づかないところでたくさん支え、祈り、共に闘ってくれていたことに気づいた。
私の心にある変化が起きた。それは今までにはない、感謝と喜びだ。あの感覚は今も決して忘れない。

翌朝、目が覚めると、明らかにいつもと感覚が違う。腕が伸ばせるのだ。枕元にあるメガネをさっととれる、自分で服を着替えられる、自分でシャワーに入れる。何かが起きたのだ。どんなにきつい薬ももはや気休めにしかならなかった私のカラダが、明らかにすごいスピードで回復しているのだ。

1週間後の血液検査で驚愕の事実が分かった。IGE指数が16000を越えていた私が、500まで下がっていたのだ。これはちょっと強い花粉症を持つ人のレベル。

何が起きたのか最初は分からなかった。しかし今は分かる。自分の弱さを認め、受け入れること。これが私の人生を変えたことを。その瞬間から、家族や周りの方々の優しさや愛を受け入れられるようになった。そして何より、私の状況や環境、思いや考えに関係なく、神様はいつも愛し、共にいてくれていたということに気づかされた。

今はどうかというと、やはり季節の変わり目や高温多湿の時には皮膚が荒れる。何を隠そう、今も荒れている。昔に比べれば1%にも満たない些細なレベルだが。けれども、明らかに違うことがある。それは人目が全く気にならないことだ。何故なら、弱さを認め、受け入れたことで、そこに執着しなくなったからだ。

この弱さのおかげで、私は目先に起きる些細なことに一喜一憂せず、人生の決勝点を見いだせるようになった。これは私にとって、人生最大の発見だ。この写真は、私の宝物。何故なら、いくら強がったって、鎧をかぶったって、本当の自分はこの姿だからだ。

野に咲く花のように、空を飛ぶ鳥のように、思い煩わず、今日を、明日を生きよう。命を与えてくださる神様に感謝。ただ一方的に与えられる神様の恵みに感謝だ。